重大屋代表きょーへいです。
今回は、鯨肉の部位についてご説明します!
クジラの部位「コロ」
鯨のコロとは、鯨の皮(皮下脂肪)の部分です。
鯨油(げいゆ)で、カラカラになるまで油抜きします。
鯨油とは、鯨の皮下脂肪を部位分けして、同じくタネ油と呼ばれる鯨油で揚げることにより、抽出された油の事です。
ちなみに、私の名前である由谷(ゆたに)の名字の由来は、大昔にくじらの皮脂を炊いて鯨油を採取する仕事を行っていた事から由来されているそうです。その後、油の字から由へ時代とともに変化しました。
第二次世界大戦後くらいまで、鯨油は重宝されていて洗剤や機械用潤滑油、燃料などに使用されていました。
当時、このコロは、別名イリカスと呼ばれ、鯨油を抽出した残りで鯨油の影に隠れた存在でした。
コロを作る際、鯨油の温度調節や揚げ加減などが非常に難しく、高度な技術を要します。先代より代々引き継がれた技法でじっくり時間をかけ、旨味を引き出しています。
例えば、コビレゴンドウ鯨の場合、一頭の大きさが大きいもので5mとし、重さが1tを超えます。
皮下脂肪の厚さは5cm〜10数cmほどの厚さで、300kgほど取れます。
それを鯨油(げいゆ)で揚げることで60kgほどになります。
大阪ではおでんの定番です。太地町では、ヌタ和えや煮物に入れたりしています。
食べた時、モチモチした食感の部分やシャリシャリした部分などがあり、おでんの出汁が染み込んだコロをお酒を飲みながらいただくのは最高です。
少し前ですが漫画、『美味しんぼ和歌山県編』でも取り上げられました。刈谷先生のブログでも応援のメッセージをいただき鯨の文化を広めていただきました。
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クジラの部位「オバケ」
オバケ(尾羽毛)とは尻尾と背びれの部分です。
それを薄くカットし、高温のお湯で湯がき、氷水で一気に冷やします。
するとちぢれたようになるので、太地町では『ちぢくり』と呼んだりします。
大阪だとオバケ、そのほかの地域だとオバイケと言うこともあるようです。
太地町ではオバキと言うこともあり、私が品名をオバケにしようと言うと、母がオバキ!と譲らないのでうちの商品名はオバキです(笑)
鯨業界では、尾羽(オバ)や縦鰭(タテビ)などと呼びます。
例えば、ミンク鯨一頭が1tで、 尾羽が約20kgほど採れます。
食べ方は、酢味噌がよく合います。ネギや一味を入れ召し上がって頂くと、コリコリした食感がクセになります。
調理法というか…皆さんには…
「ただ解凍しただけ…」みたいに言われた動画ですがご覧ください!(笑)
オバキの部分は加工に時間がかかる為、品薄になることがありますのでご了承ください。
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江戸時代から脈々と受け継がれる鯨食文化を継承し、自然の恵み、命に感謝し、海とともに和歌山県太地町で鯨加工・魚加工販売している創業70余年『重大屋(じゅうたや)由谷商店』のコラムです。
今後ともご贔屓に!
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